「ゆらぎ」こそが大自然の生命エネルギーのパワーの源なのです
更新日:2025-04-22
音・周波数
「ゆらぎ」とは何か──自然と調和するリズム
私たちが「心地よい」と感じるものの多くには、ある共通のリズムがあります。それが「ゆらぎ」と呼ばれる現象です。たとえば、小川のせせらぎ、鳥のさえずり、風にそよぐ木の葉、ろうそくの炎の揺れ。これらに含まれる“1/fゆらぎ”と呼ばれるリズムは、完全な規則でも無秩序でもない、ちょうどよい不規則さを持っています。この1/fゆらぎは、私たち人間の心拍や脳波のアルファ波など、生命の根幹にも見られる自然なリズムです。つまり、私たちの身体もまた「ゆらぎ」で成り立っているのです。
ゆらぎと生命のつながり──“完璧すぎない”ことの意味
意外に思われるかもしれませんが、健康な心臓の鼓動は、完全に規則的ではありません。ほんのわずかな変化があることで、身体はリズムを整え、柔軟に環境に対応できるのです。逆に、脈拍がきっちり一定すぎる場合、それはストレスや不調のサインとされることもあります。自然界もまた、常に“揺れ動いている”ことで調和を保っています。水が流れ、風が吹き、木々が揺れるように、静かに見える自然の中にも、細やかな変化と流れがあるのです。この微細な動きこそが、命の営みそのもの。ゆらぎとは、まさに生命のリズムであり、エネルギーの源なのです。
現代人に不足している「自然のゆらぎ」
私たちは日々、スマートフォンやパソコン、人工照明や都市の騒音に囲まれ、人工的なリズムの中で生活しています。それらは一定の周波数や刺激を持ち、脳や神経に“緊張”をもたらします。一方、自然の音や光には、1/fゆらぎが含まれており、それが私たちの心と体をリラックスさせてくれるのです。たとえば、波の音や雨音、焚き火の炎の揺れなどが心を落ち着かせるのは、無意識のうちにゆらぎに共鳴しているからです。ゆらぎは、心をほどき、深い呼吸を促し、本来の自分へと戻してくれます。
ゆらぎに身をまかせて生きるということ
「変わり続けること」こそが、この宇宙と生命の本質です。完璧さや安定を求めすぎると、かえって不自然になり、疲弊してしまいます。感情の浮き沈みも、体調の変化も、生きているからこその“ゆらぎ”です。それを否定せず、むしろ味わいながら、自分のペースで揺れていく。それが、自然と調和したしなやかな生き方なのではないでしょうか。それこそが、私が提唱するサウンドハピネスなのです。
完璧にしようとしなくてもいい、頑張りすぎなくていい。ただ、自然とともに“今ここ”を生きる。その中にこそ、本来の生命力が宿っているのです。風の音、葉の揺れ、自分の鼓動に耳を澄ませば、きっと「いのちの源」の音が聴こえてくるはずです。